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備えよ常に! 備えあれば憂いなし
石 斛
人類学者の研究では、ネアンデルタール人と
現生人類が40万~50万年前に分岐して後、
25万年にわたり両者が世界各地を移動する
なかで、何度もDNAのやり取りがあった。
ネアンデルタール人と現生人類はまた別の
旧人、デニソワ人とも交配があったことが
分かっているが、どれくらいの期間であった
かは明確には判らない。
この結果、現代人のほとんどが何%かの割合で
ネアンデルタール人のDNAを受け継いでいる。
ネアンデルタール人のDNAは24時間周期の
体内時計や免疫機能、一部の人の痛みの
感じ方などに影響することが分かっている。
研究チームは、ネアンデルタール人が持って
いた現生人類のDNAを特定するために参照する
現代人のゲノムとして、ネアンデルタール人の
DNAをほとんど受け継いでいないアフリカ人
女性のサンプルを使って分析をした。
こうすれば重複する部分が見つかった場合、
それはネアンデルタール人でなく、現生
人類側のDNAだと容易に判断できるからだ。
分析の結果、ネアンデルタール人のX染色体上に
現生人類のDNAが多くみられる理由は、交配に
性別の大きな偏りがあった。
交配はほとんどネアンデルタール人の男性と
現生人類の女性という組み合わせだった。
この男女の間に生まれる子で、ネアンデル
タール人の父からX染色体を受け継ぐのは
女の子だけだ。
さらにその後の世代でも、ネアンデルタール
人の男性が現生人類由来のDNAを多く持つ
ネアンデルタール人女性と交わるパターンは
続いたと考えられている。
結果的にネアンデルタール人男性のX染色体は
現代人にあまり受け継がれず、その一方で
ネアンデルタール人側のX染色体上には現生
人類のDNAが多く取り込まれたとする。
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バ ラ
ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルター
レンシス)は、西ユーラシア一帯にかけて
生息していたが、4万年前に消滅した。
ネアンデルタール人は、現生人類と分岐
した後、ユーラシアに移り住み、現生人類は
アフリカに住み着いていた。
その後、ネアンデルタール人は約6万~7万年
前にアフリカを離れた現生人類の集団と遭遇。
科学者は、2つの集団が初めて出会った場所は
中東や欧州だったと推定している。
ネアンデルタール人と現生人類の初めての
異種交配は、科学者が予想した5万~6万年前
より遅い約4万7000年前に始まり、その後、
ネアンデルタール人が絶滅するまで約6800
年間続いたと推定されている。
科学者は、交配がなされた初期には、ネアン
デルタール人の遺伝子の割合は約5%であった。
現生人類に伝えられたネアンデルタール人の
ゲノムが急速に減少した。
ネアンデルタール人の遺伝子の多くが現生
人類にとっては害になるものであったため、
進化の自然選択の過程で消えていったとされる。
多くの現生人類は、1~2%のネアンデル
タール人の遺伝子を持っている。
受け継いでいる遺伝子は、甲状腺機能の低下を
招くバセドウ病やリューマチ関節炎のような
自己免疫疾患関連の遺伝子、血液凝固関連の
遺伝子などがあるされている。
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御 衣 黄 桜
中国の遺伝学者のチームは、中国国内の
遺跡3カ所から出土した標本に二つのアミノ酸
変異体が共通して見られることを突き止めた。
このことから、研究者らはこれらの歯は
全て同一の種に属していたと結論付けた。
その内の一つはこれまで知られていなかった
ものだったという。
二つ目の変異体は、以前、謎のデニソワ人や
一部の現生人類の集団からも確認されていた。
研究報告では、他の人類種にもこの変異体が
存在していたことは、デニソワ人がかつて
ホモ・エレクトスと交雑し、その後に、ある
時点でホモ・サピエンス(現生人類)とも交雑した
ことを示唆しているとする。
その結果、デニソワ人のDNAの痕跡は今日でも
一部の人類に受け継がれている。
同様に現生人類の集団の祖先にはネアンデル
タール人も一部含まれている。
これは約4万年前に絶滅したこの人類種との
過去の交流が残した遺産に他ならない。
デニソワ人もまた、ネアンデルタール人と
交雑していた。
東南アジアの現生人類の集団にはデニソワ人の
遺伝的要素が最も多く見られ、かつてこの地で
両人類種が接触したことを示唆しているとする。
また、ホモ・エレクトスの化石が40万年前の
ものなのに対し、デニソワ人の化石が15万~
30万年前のものであることを踏まえると
両者は祖先と子孫だった可能性も考えられる
との指摘もある。
デニソワ人はホモ・エレクトスと共存して
いたのではなく、そこから直接的に進化した
種でもあり得るという。
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石 斛
現生人類のホモ・サピエンスが、ネアンデル
タール人と分岐したのは少なくとも80万年
前で、これまでの推定値よりも約30万年早い。
人類学者の多くは現在、別の絶滅人類種
ホモ・ハイデルベルゲンシスが、現生人類と
その近縁種ネアンデルタール人との最後の
共通祖先であると考えられている。
スペイン北部のアタプエルカにある遺跡から
出土した人骨化石約30体の臼歯と小臼歯の
年代測定により、これらの化石の年代は
43万年前という信頼性の高い結果が得られた。
現生人類の祖とされる、このヒト族の人骨の
歯とネアンデルタール人の歯との間に強い
類似性がみられたことから、ネアンデル
タール人との分岐は、これまでより30万年
早い80万年前と結論付けされた。
かって、我々現生人類の祖先は、猿人(アウ
ストラロピテクス)だと学んだ。
最近では研究が進んで、現生人類に至る複雑な
分岐の様子が明らかにされつつある。
アウストラロピテクスから、原人[ホモ・エレク
トス)に進化した後、分岐が繰り返されて、
70万年前にホモ・エレクトゥスから分岐した
ハイデルベルゲンシスが、共通の祖先となった。
ホモ・ハイデルベルゲンシスは、およそ60〜
30万年前にアフリカからヨーロッパ・アジアの
一部にまで広く分布していたとされる人類だが、
20万年前に消滅した。
アフリカにいたホモ・ハイデルベルゲンシスから
現生人類(ホモ・サピエンス)は、約30万年前に
アフリカで出現し、その後約6万~7万年前
以降にアフリカを出て世界各地へ拡散した。
この過程で、現生人類はハイデルベルゲン
シスから分岐し、共通の祖先とするネアン
デルタール人やデニソワ人とも交配した。
このため、現生人類は両者の遺伝子を1~2%
持っているとされている。
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ツ バ キ
人類の祖先、[ホモ・エレクトス」として
知られる先史時代の人類は、我々の祖先の
中で初めてアフリカを離れ、大陸に渡って
移動し、最終的に約200万年にわたり大陸を
多方面に移動して来た。
しかし、彼らの移動の軌跡は、身体の遺伝
物質が見つけにくく、また、祖先の人類間の
複雑な交雑関係を知る方法も見つからなかった。
最近になって、科学者たちは中国で発掘された
6本の歯から太古のたんぱく質を抽出し、モモ・
エレクトスと我々ホモ・サピエンスを含む
後世の人類種との間に、分子レベルでの
つながりがあることを初めて判った。
ホモ・エレクトスの化石はアフリカ、アジア、
欧州で発見されているが、化石の年代や保存
状態の悪さから、消失しやすいDNAなどの
有益な分子データを取得することは困難だった。
中国の遺伝学者の研究チームは、中国国内の
3カ所で発掘された歯から古代のエナメル
蛋白質を抽出・分析することに成功した。
これらの歯はいずれも約40万年前のものとされる。
アミノ酸の配列から構成される蛋白質は、
太古のDNAよりも安定していた。
DNAは脆弱な分子で、比較的容易に分解して
しまうが、蛋白質に含まれる情報は詳細さの
点では格段に劣るが、それでも依然として
標本の進化の歴史を解明する手がかりに役立つ。
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石 斛
ゴーヤなどの害虫であるセグロウリミバエの
生息が名護市で初めて確認された2024年3月、
その後生息地域が24年冬には中北部まで拡散。
2025年4月、農林水産省と沖縄県は[緊急防除]を
発動し、駆除に取組み始めた。
近縁種のウリミバエのオスを誘引する[キュー
ルア]という誘引剤やメスを誘引する薬剤の
散布、発生地域周辺の寄主植物の徹底除去、
農薬散布など総力を挙げて殲滅を狙ったが失敗。
農家も収穫間近の果菜類の破棄などで全面協力。
しかし結果は失敗に終わった。
既に、セグロウリミバエは2026年の4月までに
奄美群島にも侵入し、罠で1627匹を捕獲。
残され対策として、不妊化したオスのハエを
大量に撒く方法で、デング熱を媒介する
ネッタイシマカ駆除でブラジルが行っている。
現在、那覇市に設けられた[ハエ工場]では、
毎週2400万匹規模のセグロウリミバエを
増殖できる体制が整えられている。
既に、伊江島などでは、ヘリコプターから
毎週数百万匹の“不妊バエ”を空中散布し、
その効果が確認されているという。
だが、現在の増殖能力では、奄美大島まで
カバーする能力はなく、県内対応で手一杯。
政府は、奄美大島も対象に含めるために
施設を整える予算を計上したが稼働は27年に。
専門家は、過去にウリミバエ根絶事業では、
[不妊オスを避けるメス]の変異体が出現した
可能性を示す研究結果があったことから、
今回も、変異体の出現に懸念を抱く。
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石 斛
2025年4月、農林水産省は[緊急防除]の発動を
決定し、沖縄本島で栽培されたゴーヤーや
スイカ、トマト、パパイヤなどの野菜は
国の検査を受けなければ、自由に島外へ
持ち出せなくなった。
空港では、植物検査が行われ、国による[検査
済み]でなければ持ち出しは禁止される。
理由は、海外から持ち込まれたセグロウリ
ミバエが、沖縄本島を中心に急速に拡散し
ゴーヤなどの野菜が汚染されたためだ。
2024年3月に、沖縄本島の名護市でセグロ
ウリミバエが初めて確認されたのち、急速に
沖縄全島が汚染された。
日本は、国内でセグロウリミバエなどの害虫が
野菜や果物を食害すると、栽培農家が打撃を
受けるだけでなく、国際的に[セグロウリ
ミバエ発生国]とみなされ、汚染国から自由に
安価な野菜や果物が輸入されるようになり、
栽培農家は壊滅的な打撃を被ることになる。
国際的な植物防疫上の信用も失うことになる。
侵入初期の“初動防除”が極めて重要なのだ。
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