東北地方太平洋沖地震の際に、震源地から
750Kmほども離れた大阪湾の埋立て地に建つ
高さ256mの咲洲庁舎では大きな被害が出た。
原因は長周期地震動によるもの。
長周期地震動は、一般的なP波とS波とは別に
長い波長を備えた表面波と呼ばれるもので、
P波とS波に遅れてやって来て、軟弱な地盤に
建つ建物が持つ固有の揺れの波長と合えば
大きな被害を及ぼす。
地震動が軟弱地盤を揺らすことにより液化現象を
起して、建物を倒壊させることもある。
昭和21年(1946年)に発生した昭和南海地震
では、震源から400Kmほども離れた島根県
出雲市で大きな被害が出た。
元は島であった出雲半島の付け根部分は宍道
湖に流れ込む斐伊川の運ぶ土砂が堆積して
繋がったもので、この沖積層や埋め立て地の
平坦部に出雲市の中心部が立地する。
昭和南海地震のM8の揺れが軟弱地盤に伝わり
震度7級の予想外の揺れで大きな被害を出した。
江戸時代の1707年の宝永地震や1854年の
安政東海地震では名古屋城や三河地域の城に
大きな被害が出たが、原因はこれも軟弱地盤。
戦が無くなって支配者の居城は利便性と経済
的なメリットを求めて川辺の軟弱な地盤地域に
築城するようになったことが原因。
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