過去20年間の衛星写真の分析から、現状の
ままで温暖化が進むと世界の山岳氷河が
2050年までに失われとする研究発表がある。
これとは別に、気候変動に対する対策が
有効に行われ、目標を達成しても、世界の
氷河の半分は失われるとの研究発表がある。
報告では、世界の山岳には21万5000ヶ所を
超える氷河が存在し、降雪と気温上昇に
よりそれぞれ拡大、縮小している。
これらの氷河は、地球上の20億人近くに
新鮮な水を提供する一方で、海面上昇の
主因ともなっている。
海面の上昇は、世界の沿岸地域に暮らす
数十億人に脅威をもたらす。
研究者らは新たな衛星データを用いて、
過去数年間に起きた氷河の変化を観察。
それに基づき異なる複数の気候変動シナ
リオを作成して引かうした。
具体的には、グリーンランドと南極の
氷床を除く21万5000カ所超の山岳氷河が
今世紀末までにどうなるかについて、
1・5℃、2℃、3℃、4℃の気温上昇で
どうなるかを検証した。
その結果、気温が4℃上昇した場合、今世紀
末までに氷河の質量は2015年と比較して
41%失われる。
仮に、世界が目標としている気温の上昇幅が
1・5℃の範囲に収まったとしても、氷河の
質量は今世紀末までに26%失われるという。
各国が現状公約している気候変動対策の
2100年までに気温が2・1~2・9℃上昇する
予測では、欧州の中央部や北米西部、
ニュージーランドなど、複数の地域の
氷河はほぼ完全に消失する可能性がある。
氷河の縮小は、海面上昇にも明確な影響を
及ぼし、1・5℃の温暖化で海面は90mm
上昇し、4℃なら154mm上昇するという。
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