インフルエンザの予防には手洗いと「うがい」が
欠かせないことは十分理解されている。
最近はうがいに用いるうがい薬として市販されて
いる「ヨードうがい薬」が市民権を得ている。
ヨードうがい薬は、溶液1ml中にポピドンヨードと
いう有効成分を70mg(約7%)含み、エタノール、
l-メントール、サッカリンNa、香料などの薬用添加
物が使用されている。
有効成分のポピドンヨードはヨウ素(ヨード)をポリ
ビニルピロリドンという化学物質に結合させている。
うがいの際にポピドンヨードから分離されたヨウ素が
細菌やウイルス、真菌(カビ)に対し殺菌効果を示す。
更に、これまでの研究では、エイズウイルスやB型
肝炎ウイルスにも有効性を備えていることも判明。
「ヨードうがい薬」は予防薬としては非常に有効で
あるとの判定を受けてはいるが、京都大学健康科学
センターが行った調査結果で意外な事実が判明した。
全国18地域の387人の協力を得て、「特にうがいを
しない群」、「水道水でうがいをする群」、「ヨード液で
うがいする群」の3グループに分けて1日3回以上
2ヶ月間うがいを行った。
うがい液は説明書通りの、溶液2~4mlを水約60mlで
希釈し、また水道水群は水60mlを用いた。
実験結果では、「特にうがいをしない群」の風邪の
発症率は、1ヶ月当り100人中26.4人で、「水道水で
うがいをする群」は17.0人とうがいの有効性を証明。
だが、「ヨード液でうがいをする群」は23.6人だった。
水道水群より劣り、うがいをしない群に近かった。
原因として、咽喉に居る常在菌を滅菌し、侵入した
ウィルスや雑菌に冒されやすくしたこと、或いは
ヨードが咽喉の粘膜を傷つけたことを挙げている。
殺菌力を備える塩素成分を含む水道水でこまめに
うがいをすることが最善のインフル予防策となる。
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