自然界で最強の「引張強度」を備えているのが
蜘蛛の糸だとされている。
この蜘蛛の糸を直径１ｃｍの繊維にして網を編めば
離陸中のジャンボ機を無傷で捕獲出来ると言う。
この夢のような強度を持つ繊維を人工的に造り
出すことに成功し、工場で大量生産化が始った。
山形県のベンチャー企業のスパイバー（鶴岡市）が
開発した新素材「ＱＭＯＮＯＳ（クモノス）」だ。
蜘蛛の糸は蜘蛛の種類や用途の縦横吊り下げ
などで物性が異なり、夫々はタンパク質のアミノ酸
20種類の配列で決まるとされる。
開発では、先ず遺伝子組み換え手法を用いて
天然のクモ糸が備えているアミノ酸の配列をデザ
インした後、遺伝子を微生物に組込み、培養・発酵
させてタンパク質を大量生産する。
これを生成し、粉末化した材料から紡糸して繊維に
加工する手法を一貫生産化させることに成功した。
完成品は、クモ糸に近い弾力性や軽さ、切れ難さを
兼ね備えており、工業用途での活用が期待される。
また、最近英国では、セイヨウカサガイの歯舌
（しぜつ）と呼ばれる部分に配列している１ｍｍ程の
歯の強度が、蜘蛛の糸の強度を大幅に凌ぐことが
付き止められたと発表された。
この歯は、有機成分と極めて硬い無機成分の
両成分が混じった「ハイブリッド材料」で、強度
試験では蜘蛛の糸の3～6倍の強度だと言う。
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