今から50年あまり前、早朝にロスアンジェルスの
ホテルの窓から少し低い低地の向こうの丘の
住宅地が朝日に輝いているのが印象的だった。
だが、直ぐに異変が始まった。
多くの車の姿が目に入るに従い、美しかった
郊外の景色は次第に霞み、瞬く間に白く濁った
”霧”に埋もれてしまった。
その頃は、”ロンドンの霧”と同列に、文明の
地の証の程度ほどの認識しかなかった。
このスモッグ、ロスアンゼルスでは現在も
生き続けており、2022年に大気汚染の実態を
監視するスイス企業が、世界131カ国・地域の
都市の大気汚染調査では、上位にあるという。
WHOは、2021年9月に汚染状況の指針を改定。
PM2・5濃度の目標値を厳しくし、1m3当たり
10マイクログラム(μg)から同5μgに引き下げた。
2022年の平均値がこの基準を下回った国・地域は
オーストラリア、エストニア、フィンランド、
グレナダ、アイスランド、ニュージーランドの
6カ国と米領のグアム、プエルトリコを含む
7地域のみだったと報告している。
また、汚染が特にひどかったチャド、イラク、
パキスタン、バーレーン、バングラデシュ、
ブルキナファソ、クウェート、インドの
7ヶ国では、PM2.5濃度が50㎍を超えていた。
気候変動との関連が指摘される山火事の増加は
近年、大気汚染の主要な原因となっており、
過去10年の改善を打ち消すほどの影響を及ぼす。
米国では22年、山火事が21年より少なかった
ことから、大気汚染が大きく改善されていた。
それでも、主要都市のワースト15位までの
リストには、山火事の多発するカリフォルニア
州からロサンゼルス、サクラメントなど
計10都市がリスト入りしている。
一方、長年、世界のワーストリストで1、2位を
争ってきた中国では、22年は調査対象の524
都市のうち、64%近くでPM2.5濃度が下がった。
しかし、WHOの目標値に達した都市はなかった。
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