ミレー 晩鐘 複製画 10号
関西の平地では八重桜が満開で、造幣局では通り
抜けで賑わっています。
関西でサクラの名所といえば、数多くある中で、なんと
いっても、古来、詩に歌われ、絵画にも描かれてきた
歴史的にも有名なのが、吉野山です。
その歴史は、奈良時代に遡り、金峯山寺が開かれた
頃から、サクラが植えられたといいます。
開祖の役行者が感得したという蔵王権現像がサクラ
を刻んで彫られていることから、サクラの木は神木と
考えられ、伐採は禁じられてきました。
蔵王堂に参った信者や修験者が、1300年間、サクラ
の木を献木し続けてきた証が吉野の山のサクラです。
サクラの種類は主として、シロヤマザクラで、病虫害
にも強い樹種だそうですが、10年ほど前から樹勢の
衰えが目立ち始め、二~三年前から地元の人たちが
サクラの木に付いたウメノキゴケやヤドリギを取り除く
作業を続けています。
3万本あるといわれるサクラの大半が、5年ほどで
枯れてしまう恐れがあると心配されています。
樹齢が古いものから若いものまで、樹齢に関係なく
枯れる木が出ている状況に、大学の専門家に調査を
依頼した結果、原因はナラタケ菌によるものでした。
なぜこの菌が繁殖するのかは、近年の気候の変動に
よる土中の水分の増加、富栄養化など人為的な問題
更に温暖化など環境の問題など、色々な問題がある
ようですが、抜本的な対策に備えた基礎データーの
収集の早期着手が要望されています。
1300年を経て、花の山が消えるのは寂しいことです。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
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