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2010年2月18日木曜日

観光地のシカ

山水蓬莱図  油絵  10号




奈良公園を訪れる人たちにとって、癒されることの一つは

シカたちによるお出迎えだろう。

幼児の半数ほどは怖がって泣き出す子もいるが、中には

いい度胸を備えていて、平気で近づいていき、シカの顔を

触っている子もいる。

家でペットの大きなイヌがいるからだろうかなと思う。

たいていのシカは、シカせんべいをもらうときには、面白い

ことに、頸を上下に振って、早く呉れ、もっと呉れよ、と

催促する仕草をするクセを備えているのが大変な人気。

一方の宮島のシカは、人馴れが過ぎたのか、餌のねだり

方がしつこくなってしまい、観光客を追いまわしたり、挙句は

噛み付いて怪我をさせる事故もあるから尋常ではない。

宮島では野犬に襲われる心配も、交通事故に遭う恐れも

少ないから、シカにとっては天国なのだろう。

増えすぎて500頭ほどにもなっているとか。

奈良公園では、ここ3年連続して減少していて、昨年度は

1050頭台にまで減少している。

交通事故による死亡が毎年70頭以上になっていることに

加えて、特にゴミなどのビニール袋を食べてしまった結果

胃腸障害の疾病で死亡が急増していることが頭数減少の

大きな要因になっているようだ。

餌を与える側の人間が、可愛いというだけで無闇に

餌を与えたり、ゴミを放置することが、結果としてシカたちを

不幸な状況に追い込んでいることを知る必要がある。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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