今年のソメイヨシノの開花は、関西地方、
特に大阪府や和歌山県、奈良県でも観測史上
最も早い開花となり、花見のタイミングも
狂ってしまって、ゆっくり楽しめなかった。
今では、八重桜の季節に移り、関山が満開だ。
奈良公園では、御衣黄も先始め、ナラノヤエ
ザクラの蕾も膨らみ始め、こちらも例年より
1週間ほど早まりそうだ。
桜の名所、吉野山のサクラも、例年なら下
千本から中千本、更に上千本から奥千本へと
順番に山裾から開花前線が山を登って行く
特色を備えているのが、今年は下から上の
辺りまで一気に咲いてしまった。
約1300年前に、修験道の開祖である役行者
(えんのぎょうじゃ)が金峯山寺(きんぷせんじ)の
本尊蔵王権現(ざおうごんげん)を山桜の木で
彫ったことで、桜の木は御神木として崇めらた。
修験者や参詣者が、桜の苗木を奉納し、山に
植えることが戦国時代には盛んになり、今の
花の山の原型が形作られたとされる。
全山で3万本以上もあるとされるサクラの
大半はシロヤマザクラが占めている。
だが、吉野山のサクラに危機が迫っている。
観光客が捨てるゴミなどが原因で、ナラタケや
ナラタケモドキなどの「ナラタケ属菌」が繁殖
桜の木をむしばみ、枯死が相次ぐ事態に。
地元では、保存に備えた活動を進めるが、
対策が追い付かない状況だとされる。
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