狂牛病と呼ばれる牛海綿状脳症(BSE)は、牛の
病気の一つで、BSEプリオンと呼ばれる病原体に
牛が感染すると、牛の脳の組織がスポンジ状に
なり、異常行動や運動失調などを示して死亡
する伝染病で、ヒトには感染しない。
ヒトには、類似の疾病として知られる、クロ
イツフェルト・ヤコブ病(CJD)がある。
異常プリオン(感染性蛋白質)に感染して、神経
組織等に蓄積して異常行動を起こす伝染病は、
TSE或いはプリオン病とも呼ばれ、ウシが
感染するとBSEと呼ばれる。
TSEに共通する特徴として、
1. 潜伏期間が、数ヶ月から数年の長期間に亘る。
2. 病理学的に、中枢神経系の神経細胞が
スポンジ状に空胞変性を起こす疾患。
3. 進行性、致死性の神経系疾患。
BSEを発症した牛は、神経過敏、攻撃的
あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、
食欲減退などにより消耗して死亡する。
予防法、治療法は、いまだ開発されていない。
原因は、牛に、異常プリオンで汚染された
肉骨粉を食べさせたことよるとされる。
プリオンは、加熱処理や化学殺菌などの処理
にも抵抗性を備えている。
このため、家畜を処理する際に出るクズ肉、
骨、内臓、血液等を加熱処理し、乾燥させて
粉末にした肉骨粉は、飼料として豚や鶏の
エサとして与えられたり、農作物用の肥料
などとして以前から使用されている。
こうした肉骨粉が、牛の飼料に混入したことで
牛がBSEを発症する。
最近、ウシと同類のシカでBSEの感染拡大が
確認されている。
シカ科動物が罹患した伝達性海綿状脳症(TSE)は、
シカ慢性消耗病(CWD)で、狂鹿病やゾンビ鹿病
とも呼ばれ、シカ、ヘラジカ、トナカイ、
ニホンジカなど、シカ科動物が罹患する。
CWDを引き起こす異常プリオンタンパク質は
糞便や唾液、血液、尿などの体液を介して
感染するほか、土や食料、水が汚染される
ことでも感染が広がると考えられている。
多様なものが感染を媒介するため、アメリカで
25州、カナダ、欧州、韓国に感染は広がった。
韓国では、2001年にカナダから輸入したシカ
から感染が広がっており、欧州では、2016年に
ノルウェー南西部で生息する野生のトナカイで
初めて感染が確認されている。
現在までは、日本国内では感染確認はない。
しかし、天然記念物である奈良のシカが感染
するようなことがあれば大事だ。
春日大社の神鹿であるので、春日大権現の
お加護にすがりたいものだ。
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