御 衣 黄
英国の大学の研究チームは、脳疾患の既往歴が
ある患者から採取した脳脊髄液を、高分解能
透過電子顕微鏡(HR-TEM)や高角度環状暗視野
走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)とエネル
ギー分散型X線分光法を組み合わせて分析した。
2022年6月22日に発表された研究成果では、
25検体のうち8検体で外因性微粒子が見つかり、
これら8検体で特定された外因性微粒子の組成は
それぞれ異なるが、大気環境でよくみられる
カルシウムや鉄、ケイ素を含む粒子のほかに、
これまで報告されていないマラカイト、アナ
ターゼ二酸化チタンも特定された。
脳が浮かんでいる脳脊髄液に、有毒な大気が
何らかの方法で侵入したと考えられるという。
研究チームは大気中の微小粒子の脳への侵入
経路を探るため、マウスに酸化チタンとカーボン
ブラックを気管内注入によって直接投与した。
その結果、血液脳関門(BBB)の構造が損傷し、
脳血管の漏出が対照群に比べて約20%増加した。
試験管内実験でも同様に、酸化チタンや
ブラックカーボンなどの微粒子が血液脳関門の
頂端側から側底側へ直接移動が確認された。
また、マウスの脳から外因性微粒子が、排出
されるスピードは他の代謝器官よりも遅かった。
即ち、粒子状物質による中枢神経系への
リスクを裏付ける。
近年の研究結果では、大気汚染への長期曝露と
神神経炎症や認知機能の低下との関連が判明。
メキシコシティでの研究では、長期にわたって
大気汚染にさらされている子供や若者の脳幹で
アルツハイマー病と関連する異常タンパク質の
蓄積が認められた。
研究チームは一連の研究成果について[粒子状
物質による中枢神経系へのリスクを裏付け、
外因性粒子の吸入から脳への曝露経路を
解明する道筋を示したもの]とし、「大気中の
微小粒子が吸入され、血流を介して血液
脳関門に損傷を与え、脳に到達するまでの
経路については、更なる研究が必要だ]と指摘。
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