2023年7月末、大型の台風5号(トクスリ)が
中國中部に上陸した後、北上した影響で、
北京市や河北省など中国北部は歴史的な
豪雨に見舞われた。
北京気象台は、140年の歴史で最大の豪雨
とし、最大1日740㎜の雨量を記録。
日本の年間平均雨量の半分近くが1日で降った
ことになり、日本ほど治水に対する備えが
整っていない中国国内は未曽有の大洪水に。
北京市の南西部に隣接する河北省涿州市では、
この雨で市内の東部を流れる白溝河の濁流が
氾濫し、広い地域が水没し、市内の一部では
水位が一時8mにも達した。
中國では、[水]を制御することは古代から、
重要な天子の使命だった。
堤を築くだけでなく、洪水発生時には上流の
河川沿いの低い土地に水を誘導し水没させて
下流の都市部への被害を防ぐ対応が取られた。
この遊水地として利用される場所は[分洪区
(ぶんこうく)]と呼ばれ、全国で98か所(2018年
現在)が指定されている。
内訳は最も多いのが長江流域の44ヶ所、
華北の海河流域28ヶ所、華中の淮河流域
21ヶ所、黄河流域2ヶ所、東北部の松花江
流域2ヶ所、華南の珠江流域1か所が存在。
涿州市の周辺にも、この[分洪区]が存在する。
河川の水位が警戒線を超えると、堤防に
造られた水門を開けて川の水を区内に流し込む。
中国の洪水対策は、[捨小家、顧大家](小を
捨てて、大を守る)という考え方が現在も主流。
涿州市の水害では、[分洪区]に住む住民への
退去や避難についての事前説明が十分でなく、
命令を出すタイミングも遅れて死者も出る
大きな被害が出た。
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