中國では古代から、天の意思、意向を受けて
国土を治め、国民の安寧を図る役目を負った
者が、天子、或いは皇帝として存在すると
考えられてきた。
現在の中国では、憲法と法律を思うがままに
操れる独裁者にとなり上がった習近平は
将に中国皇帝ともいえる存在だ。
中国には、国を治めるものは、先ず、治水を
重視すべしとの[善治国者必重治水]という
言葉があるとされる。
支配者として君臨する皇帝、習近平に求め
られる国土の安定の基礎となる治水では、
全く役立つ仕事をしていない、成果が出て
いないとの指弾が多い。
相次ぐ洪水の発生に対して、習近平は国家
戦略として[生態系による雨水の吸収、貯留、
緩やかな放出を十分に発揮させる]ものとして、
海綿(スポンジ)都市構想をぶち上げた。
スポンジ都市とは、屋上緑化や透水性舗装、
地下貯水槽などに、スポンジのような吸水、
保水、放出の機能を持たせて、大雨の際などは
雨を吸収した後、河川や貯水池へと徐々に
放出して洪水の発生を止めるというもの。
2012年に発生した北京市の大洪水後に習近平が
この構想を発表し、全国の主要都市では競って
巨額の資金を投入してスポンジ都市化を進めた。
だが、皮肉なことに巨額の資金を投入して
スポンジ都市化に成功し、その効果を持て
囃した鄭州市は直後の2021年7月に大雨で水没。
1兆円余の巨額のスポンジ都市化に資金を
投じた鄭州市を始め、全国で2022年までに
5000件以上ものスポンジ都市化を完成させたと
した中国だが、2023年の台風5号による北京市や
河北省など広範囲で発生した水没事故は、
一体どうしたことなんだと指摘されたが
巨額資金がスポンジのように懐の中に吸い
込まれて消えたのも大きな要因だとされる。
24年の雨期入り早々の中国南部の大洪水、
今後も中国国内各所でスポンジに吸い込まれ
なかった雨水が都市を冠水させることだろう。
治水に失策が続く習近平に、皇帝失格の声。
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