台風12号(1812:ジンダリ)は、通常の台風の
進行方向である東寄りのコースを取らず、
東から西に進むという異常な行動だった。
この大きな要因となったのが「寒冷渦」の存在。
寒冷渦は、通常は日本列島の上空から北方に
かけて、存在するジェット気流、偏西風が
生み出したもの。
対流圏の上空を西から東に吹く偏西風は、常に
一直線ではなく南北に蛇行しながら地球を巡る。
大きく蛇行した際に、うねりの先端がちぎれて
冷たい空気を閉じ込めた低気圧性の渦となる。
この寒冷渦が、日本列島を超えて太平洋側に
出来たため、台風12号は「藤原効果」により
県令渦の東面から北側の縁を回り、西方向に
進路を曲げられたのだ。
寒冷渦が発生すると、寒暖差で大気層が不安定
化して積乱雲が発生しやすく、冬季に日本海
側で発生すると豪雪の原因となったり、更に
積乱雲発生に伴う乱気流や竜巻、ダウンバー
ストなどの発生要因となり、陸上では季節を
問わずヒョウやアラレが降ることになる。
寒冷渦の影響で西寄りの進路を取った最近の
ケースでは、2016年(平成28年)の台風10号
(1610:ライオンロック)がある。
八丈島近海で発生した後、左回りに旋回して
南下し、再び八丈島近くに戻って来て北上して、
観測史上初めて東北の太平洋側に上陸した。
気象庁は、今回の12号について、ここまで
真横に西に進むのは初めてとする。
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