記録に残る最新の富士山の噴火記録は、
1707年12月16日(宝永4年11月23日)午前10時
ごろ、宝永火口と呼ばれる南東斜面からだった。
12月9日未明まで16日間、火山礫や火山灰
などを断続的に噴出した。
火山灰は、偏西風にのって静岡県北東部から
神奈川県北西部、 東京都内からさらに100km
以上離れた房総半島にまで降り注いだ。
東京都心域では、概ね1~3cmほどの高さの
降灰があったようだ。
東京都心から富士山まではおよそ100Kmで
噴火後、2時間後には降灰が始まるとされる。
降灰で懸念されるのがインフラへの影響。
道路が1cmほど火山灰に覆われただけで
白線は見えず、走行車で巻き上げられる灰で
視界は悪化し、信号灯も見にくくなり、
点灯も必要になることも。
さらに、降灰が電線にくっついて停電を
引き起し、電車の架線やレール上の灰で
通電に支障も出て、忽ち不通となる。
浄水場への降灰で水質が悪化し、電子機器へ
灰が入り込むと故障の原因となる。
宝永噴火では、火山灰を多く噴き上げる
噴火であったが、その前の大噴火である
864年(貞観6年)の貞観噴火では、富士山の
北西斜面(現在の長尾山)から大量の溶岩を
噴出する噴火であった。
また、800年(延暦19年)の延暦噴火も大規模な
噴火であったとされるが内容は不明。
平安時代の800年から1083年までの間に
12回の噴火記録が残るが、その後は1511年
までの400年以上もの期間は噴火記録がない。
宝永噴火から、300年以上もたっているため
いつ噴火発生しても不思議ではないとされる。
次の噴火はいつか、富士山の山頂からか、
或いは周囲のどこに新たな噴火口が開くのか、
溶岩が大規模に流出するのか、火山礫や火山
灰を大量に噴出する噴火なのか、浅間山や
阿蘇山に似たブルカノ式噴火な予測が全く
つかない状態であるだけに不気味だ。
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