2024年3月以降、米国で乳牛へのH5N1型の
高病原性鳥インフルエンザウイルス感染が拡大。
7月までに12州で感染が確認された。
熱処理していない牛乳を介した農場労働者など
4人の感染が確認されているが、いずれも軽症。
H5N1型は鳥類では感染力や病原性が非常に
高いのが特徴で、2000年代に世界的流行が
始まり、各地で鶏の大量死を起こしてきた。
また、20年以降にはさまざまな哺乳類への
感染例が相次ぎ、ヒトでは28人の感染が
世界保健機関(WHO)に報告されているが、
ヒト―ヒト間での感染例は報告されていない。
東京大学感染症センターの研究チームは、
ウシに感染したH5N1型の高病原性鳥インフル
ウイルスは、ヒトへの感染効率が鳥由来の
ウイルスよりも高い可能性があると発表。
研究では、牛由来のH5N1型をフェレットと
マウスに感染させたところ、脳や筋肉など
全身でウイルスが増殖し、強い病原性を示した。
マウスに対する病原性は、ヒトの季節性
インフルエンザの約1万倍もあった
また、チームはヒトの呼吸器細胞の受容体を
使い、牛由来と鳥由来のH5N1型をそれぞれ
反応させた結果、牛由来のほうが鳥由来より
結合力が強いことが判明した。
[ヒトへの感染効率が鳥由来より高いことを
示唆するデータだ]としている。
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