お寺の境内の奥に姫ザクロの花がひっそりと咲いて
いました。
ひっそりと言うのは、山門の近くや目に付くところには
ツツジがまだ花をつけていて、同じような紅色で半分
葉に隠れたように咲いている姫ザクロは、どうしても
目立ちません。
低木ながら、そこそこ多くの花をつけているので、よく
観察すると絵画になる雰囲気の有る木です。
写生に来ている人には、お堂や塀を取り込んだ構図に
ばかり気が向いてしまい、真紅の美しい花を備えた
姫ザクロは、きっと不満だろうな、思いました。
姫ザクロの中では大きく育った木で、2m余りの高さが
ある古い木です。
中東地域では、ザクロの実は食用として、広く用いられ
ていますが、日本では余り人気が無いようです。
果物としては、少し酸味がきつくて子供には人気が
ありません。
鳥たちにも余り人気が無いようですが、はじけた実を
つつくのはヒヨドリぐらいでしょうか。
一時期、薬効があるといって人気化したことがありまし
たが、最近は健康の本などにも、余り登場していない
のではないでしょうか?
お寺にザクロが植えられているのは、お釈迦さんが
鬼子母神に、このザクロの実を与えたと言う説話から
来ているようです。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
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