10数年前の北京市も少し郊外に出ると
田園地帯が広がり、地方都市と同様に
農民が耕運機に乗って走り回っていた。
時には、人や荷物の運搬手段として後部に
リヤカーを引いて、タクシー代わりに
利用している場面にもよく出会った。
中国政府は経済発展に備えて積極的に
インフラ投資を行い、その額は数十兆円
にも及ぶとされ、農村部の道路も格段に
整備され、舗装された。
すさまじい経済発展で農民の収入も増え、
最近では移動手段も、耕運機から「低速
電気自動車」に取って代わられた。
低速電気自動車はゴルフ場の電動カートに
胴体を被せて、自動車らしい外観を備えた
乗り物で、運転には免許証は不要だ。
運転操作も簡単であり、最高時速は30Km
程度から、高級なものでは70Kmも出る。
220Vの家庭用電源で、積載されている
鉛電池に充電し、1回の充電で70~150
Km程度は走行が可能だ。
1km当りの走行コストは約0.8円程度。
中国のガソリン価格は1L当たり100~
110円前後、仮にガソリン車の燃費が
1L当り15kmとすれば、農村の乗用車の
燃費は、都市の普通乗用車の1/9程度。
通常の仕様を備えた車両の価格は30万円
程度とされ、修理や保守も耕運機並みに
容易であるため、普及が著しいという。
農道だけではなく、市街地や時には都市
中心部まで交通ルールを理解しない車が
入り込んで混乱を引起こしている。
公安や交通警察は、明らかに違法として
いるが、現状はお手上げの様だ。
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