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2009年11月21日土曜日

2万5千キロの大旅行

赤富士  油絵  10号





10月末に、アメリカの西海岸のサンフランシスコ沖で

1羽のアホウドリが、日本の小笠原諸島の聟島から

やって来たことが確認されたと報じられました。

伊豆諸島で繁殖していたアホウドリが羽毛目当ての

乱獲により絶滅寸前となりましたが、現在は天然記念物に、

また、絶滅危惧種に指定されて保護されています。

一昨年から、繁殖地の鳥島での噴火の危険性に備え

南方350Kmにある小笠原諸島にある聟島に移す作業が

始まり、昨年は10羽、今年は15羽を移して育てました。

秋から産卵のために日本の南方の島々にやって来た

アホウドリは、夏の期間は北方のアリューシャン列島や

ベーリング海やアラスカなどで成育しています。

今月にサンフランシスコで発見されたのは、今年に聟島で

育てた中のメスの1羽で、観測に備えて識別リングや

発信機を付けていました。

聟島からサンフランシスコまでは直線距離で、8500キロ

夏の期間を過ごすあるユーシャン列島を経由すると

2万5000キロに及びます。

聟島を飛立ってから、150日間ほどの期間に2万5千Kmを

移動したことになり、単純に計算すれば、餌獲りをしながら

1日に平均166Kmほど移動したことになります。

大きなのっそりした図体で、日には200Km以上も飛行して

サンフランシスコまで旅行をしていたのです。

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