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2009年11月28日土曜日

アラブの砂漠の蜃気楼

山中の滝  油絵  10号





ペルシャ湾のインド洋への出口に突き出たアラビア半島の

一帯には国土の狭い産油国が多くあります。

50年前には砂漠が広がるばかりで、遊牧で生活をする

人たちとペルシャ湾岸の交易の港町しかない地域でした。

ここで石油が見つかり、石油がエネルギー源として注目を

集め出した頃の1971年にイギリスが撤退し、経済力を

備えたアブダビとドバイが中心になって、他の首長国と

共に独立し、アラブ首長国連邦を建国しました。

石油価格の高騰で、巨額のオイルマネーが流れ込む時代に

なって、産油産業が中心のアブダビ首長国に対して、ドバイ

首長国は観光や不動産、金融産業で大きく発展しました。

特に、オイルマネーを運用する資産家達が集まる中東の

金融センターの機能を備えるまでになります。

砂漠の中に次々と高層ビルやリゾート施設が建てられ

世界一の高さを誇る824mのブルジュ・ドバイも完成

間近となり、更に1400mの高さの超超高層ビルも

着工されることになりました。

海岸の埋立地には、富豪用の別荘や高級ホテルなどが並ぶ

パームアイランドが建設されて夢の世界が出現したのです。

開発に投じられた資金は膨大な金額でしたので、金融危機後に

資産価格が半値以下に暴落したために、ドバイ首長国政府や

政府系の企業群の動向が懸念されていました。

25日なってドバイ政府や関連企業が590億ドルの負債の

返済を猶予して欲しいと債権者に要請する事態となったのです。

砂漠の中に出現した夢の世界は蜃気楼だったのです。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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