北海道東部では、古文書などによる記録は
残らないが、最近の調査で現在の海岸線から
1~4Kmまで津波が到達した痕跡が確認されて
おり、海岸から離れた湿原の土中や海食崖の
上部等でも津波堆積物が確認されている。
その解析から17世紀に1952年3月の十勝沖
地震(M8・2)をはるかに超える規模の津波が
発生していたことが確認された。
正確な発生年は確定出来ないが、既存の知見
から、1611年から1637年の間に発生と評価。
これまでは、この地震は十勝沖と根室沖の
震源域が連動する地震であると評価されて
来たが、その後の研究により、この津波を
発生させた地震は、両領域が海溝寄りの領域を
含んで破壊する東北地方太平洋沖地震(2011年)
同様の特徴を持ち、規模はM8・8に達した。
このような巨大地震は、津波堆積物から17
世紀と推定された地震を含め過去6500年間に
最多で18回発生したと推定されている。
堆積した砂層の数や内陸方向の分布が調査
地点によって差があり、推定される地震(津波)
規模や発生時期は不確実性が大きく、必ずしも
全ての地震が17世紀と同様の震源域・規模で
あるとは限らないが、根室沖の領域を含む
地震である可能性が高いものの、震源域を
推定することは困難。
しかし、北海道東部に巨大な津波が繰り返し
来襲したことは事実であることから、包括
してひとつの地震の型として改めて評価した。
発生間隔には約100~800年とばらつきがあるが、
北海道厚岸郡の調査結果を使用すると、その
平均発生間隔は約340~380年と推定された。
○将来の地震発生の可能性
地震の規模 : M8・8程度以上
地震発生確率: 30年以内に、7%~40% (地震発生確率値の留意点)
地震後経過率: 1・01~1・18
平均活動間隔: 約340~380年
最新発生時期: 17世紀
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