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2010年1月16日土曜日

虎の子渡し

街角の賑わい  油絵  10号




中国国内で最強の動物といえばトラになる。

現在では東北部に生息する最大のシベリアトラ(アムール

トラ)や華南地方のアモイトラも絶滅亜種に指定されており

南部のラオス国境近くの雲南省西双版納(シイサンパンナ)

では、昨年秋にインドシナトラを銃で撃って殺して解体して

食べた罪で、村人数人に多額の罰金刑が言い渡されている。

北から南まで、中国では古代からトラは身近に住む猛獣であり、

十分な防御の備えのできなかった時代には恐怖の対象でした。

それ故にトラには畏怖の念と共に威厳を備えた猛獣としての

尊敬の念もあり、龍と共に霊獣としても取り扱われています。

天の支配を司る神として、北のカメとヘビの玄武、東の青龍、

南の朱雀、そして西方を司る白虎が霊獣の四神になります。

龍と虎とは対にしてしばしば取り上げられますが、日本でも

古墳時代の三角縁神獣鏡では龍と虎が表現されています。

恐ろしい虎ではあっても、中国の人は虎を良く観察して

いた結果なのか、トラは子供への愛情が非常に深い動物と

してことわざで表現されています。

一日に100Km近くも移動することがあるといわれるトラは

残してきた子供を思い、日に千里行って千里を帰るとされてます。

また、虎の子渡しでは、3匹の子トラのうち1頭が獰猛なため

この1頭と他のおとなしい1頭の2頭だけにしておけないため

1頭づつをくわえて川を渡る時には苦労をする、謎解きを

備えたことわざになっています。 さて?

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