北半球で寒さの本格化に合わせるかのように
欧州では感染が急拡大している。
10月末の1週間で、北部のドイツでは新規
感染者数が54・4%増、フランスで26・7%増、
南のイタリアでは71・5%と爆発的に増加。
日本でも、10月末から増加傾向が続くなど
収束する兆しは見えない状況にある。
専門家は、過去に世界で大流行した感染症は
どのように収束したのかについて、
*病原体の変異、宿主・媒介の消失
梅毒やペスト、ジカ熱にみられる例。
病原体を保有している宿主や媒介になる
生物が駆逐されて、感染が収束した例で、
ペストを媒介したクマネズミが、大型の
ドブネズミの進出で駆逐されたことで、
流行が止まったとされる。
*防御策の効果が発揮
コレラやチフス、アルゼンチン出血熱。
感染者の隔離、手洗い・うがいの励行、
マスクの着用、ソーシャル・ディスタンスの
保持などの防御策は、過去においても多くの
感染症の弱体化に成功している。
*早めの隔離や水際作戦
武漢ウィルス以前のコロナウイルスによる
SARSとMERS。
患者との密接な接触が感染拡大要因となる
ため、早めの隔離が効果的となる。
*集団免疫
スペイン風邪は、4000万人ともいわれる
多くの犠牲者を出して、結果として集団
免疫を獲得することとなり収束した。
*ワクチン
天然痘やH1N1、エボラ出血熱。
天然痘は、世界保健機関(WHO)の主導する
大規模なワクチン接種キャンペーンののち、
1980年に撲滅宣言が出された。
2009年に発生した新型インフルエンザ
(H1N1)も、ワクチンの開発で、感染予防が
可能になった。
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