大きさが数十㎚(ナノメートル:1㎚=10億分の
1m)から数百㎚の大きさのウィルスには
推定で85万種ほどの種類があって、この内
素性が確認されているものが3000種類ほど、
この中でヒトの病原になるものが数百種。
コロナウィルスは、大きさが100㎚ほどで
ヒトへの感染性を備えているのが7種類。
7番目に確認されたのが人類を苦しめている
新型コロナウィルス、ウィルス名は SARS-
CoV-2、6番目がヒトコブラクダ由来の中東
呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、
5番目がキクガシラコウモリを中間宿主とする
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-
CoV)、他の4種類はヒトに日常的に感染して、
通常は軽症の風邪の症状を引き起こす4種類の
コロナウイルスのHCoV-229E、HCoV-OC43、
HCoV-NL63、HCoV-HKU1である。
動物に感染するコロナウイルスで知られて
いるのには、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、
ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの
家畜に加え、シロイルカ、キリン、フェ
レット、スンクス、コウモリ、スズメからも、
それぞれの動物に固有のコロナウイルスが
検出されている。
多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や
下痢を引き起こすだけであるが、致死的な
症状を引き起こすコロナウイルスも存在する。
致命的な症状を引き起こす家畜のウィルスでは
豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性
胃腸炎ウイルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎
ウイルス(IBV)、実験動物ではマウス肝炎
ウイルス(MHV)、ペットでは猫伝染性腹膜炎
ウイルス(FIPV)がある。
これらのコロナウイルスは種特異性が高く、
種の壁を越えて他の動物に感染することは
殆どないとされている。
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