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2008年9月13日土曜日

後期高齢烏

ミレー  晩  鐘   複製画  10号





残暑が厳しい日が続いています。

今朝も早くから騒々しいクマゼミの鳴き声が、容赦なく

窓から飛び込んできます。

そんな中、何日振りかで、今では馴染みになったカラス

の鳴き声が近くの木の茂みから聞こえてきました。

「ゴボーンン、ゴボーンン」、聞きようでは、「グゴーン」

とも聞こえますが、「ア~、ア~」というカラスの普通の

高い声が出ないのです。

声帯を痛めているというよりは、老齢らしく、声量も

ありません。

周辺からは、珍しく他のカラスの声は聞こえてこない

中で、1羽だけで存在感を高めるように鳴いています。

半時間ほども、時折聞こえてくる枯れた老声を耳にして

いましたが、突然に、少し遠方から他のカラスの鳴き

声が聞こえてきました。

なんと今度は少し高い声で「ガハーン、ガハーン、」と

聞こえるしわがれ声です。

きっと待ち焦がれた年寄り仲間なのでしょう。

やっと来てくれた老友と、しばらくおしゃべりをしていま

したが、やがてどこかへ食事にでも出かけたようでした。

カラスの多い地域であるため、山手の公園では、日には

日暮れ時に、300羽以上ものカラスが集まり、明日に

備えて、その日の情報交換会や反省会をしてから、

舞い上り、それぞれが持ち歌を披露しながら円舞して

ひげれとともに森に消えてゆきます。

耳を澄まし、注意して鳴き声を聞くのですが、未だ

集団の中で、老友達の声を耳にしたことはありません。

彼らには、別の場所に、ゆっくり休める老烏ホームが

あるのかもしれません。

備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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