流沙浄土辺 油絵
お盆休みの間に、紀伊半島にドライブに出かけ
大海原が広がる自然を満喫できた。
モチノキやヤマモモなどの仲間を多い照葉樹林の
森の中で、あちらこちらからミンミンゼミの声が
聞こえて来たのが意外だった。
子供のころ、内陸の山里で過ごした時期に、
ミンミンゼミは何時も高木の先の方で鳴いており
特に薄暗い鎮守の森などが.多かったので、姿を
めったに見ることがない神秘さを備えた存在だった。
時折、海が開ける遊歩道の林の中で足元に
動くものがあり、よく見るとセミの姿、取上げると
あのミンミンゼミが力なく足を動かしていた。
オスのセミだが、声を出す元気もない弱りよう。
もう、飛び立って梢で鳴く元気がない状態だが
端正さとどこか威厳を備えたミンミンゼミと
子供たちと共に暫く、会話をしてから小枝に
止まらせて別れた。
宿の窓には、夕方まで別れを惜しむかのように
ミーンミーンミ~イと物悲しげな声が届いていた。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
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