高原や海辺の草原などでは、多くのユリが咲いている
のが見られる季節です。
黄色いキスゲが緑色の草むらの中から、首を出して
点々と咲いている姿は、絵画などでもしばしばお目に
かかれる情景です。
街の中は、大振りなオニユリやカサブランカが、巾を
効かせていますが、日本の山野には、色々の種類の
ユリが咲いています。
カサブランカを生み出した親に当るトカラ列島原産の
タモトユリの自生種は絶滅してしまっているのは残念
なことです。
同じように心配なのが、ササユリです。
日本特産で学名には、japonicum と日本があります。
きれいなピンク色をした花をつけるユリですが、今は
都市近郊の山野では、自生している花は見つける
ことが出来ない状態です。
神武天皇の妃、媛蹈鞴(タタラ)五十鈴姫を祭る
奈良の率川(いさがわ)神社で行われる日本最古の
祭りと言われている三枝(さいぐさ)祭りでは故事に
因んで数多くのササユリが献花されます。
しかし、最近では三輪山の周辺では揃えられず、
お祭りに備えて、農業大学で特別に栽培してもらって
おり、一部は造花が用いられている状態です。
ユリの花は、自然の中にあってこそ美しいのですが。
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