マルス 塔のある通り 複製画 10号
午後になって郵便局へ出向く用事ができて、外へ出て
空を見上げると一面の曇り空。
その雲の下、高度の低い高さで墨のような黒い雲が
飛ぶように流れて行く、普段ではお目にかかれない
空模様になっていました。
道行く人も特に雨を気にしていない様子で、用心深い
人は雨に備えて傘を持って出るだろうな、という軽い
気持ちで傘を持たずに郵便局へ向いました。
3~4分も歩いた頃になって、雨粒は小さいながらも
可なりの勢いで雨が落ちてきました。
おまけに風までも出てきて容赦なく雨が顔を打ちます。
通りの人は皆あわてて雨宿りが出来る場所を探しますが
ビルや商店の並ぶところでは、驟雨をしのぐ適当な場所が
見当たらず、雨をさえぎる物を持たない人は手やハンカチ
で防いでいます。
急ぎ足で行く先にクリーニング店があり、日除けシートが
張り出している格好の雨宿り場所が見つかりました。
駆け込むと先客が3人。
男2人に、若い事務員の女性が雨を避けていました。
幸にも雨が吹き込んで来ないので、雨雲が通り過ぎるのを
空を行く雲やアスファルトに跳ねる雨粒や雫を眺めながら
待つことになりました。
男性はこうなることをある程度は予見できていても、
面倒臭いのか、楽観的なのか傘を持ち歩くのことは
少ないようです。
ロンドンの街を行く紳士のように雨傘を、いつも携えて
雨の備えをして歩いている世界とは、日本人は大分に
異質のようです。
否、これが男であって、あちらが異質なのだとの声も
聞こえそうですが。
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