モネ 花のある花瓶 複製画 10号
奈良県の中央部を東西に流れる吉野川から南へ、
金峯山をスタートして、標高2000mを超える峰々を
渉って熊野本宮への吉野山地の奥駈道は、世界遺産
「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心を170Kmにも
及ぶ山岳修験の道場です。
この修験者の多くが山伏であり、また人々は山伏の装束で
修行に励みますが、手から離せないのがホラガイです。
古来、山岳密教の場では、ホラガイは単なる楽器では
なく、専ら通信手段として用いられてきました。
東大寺のお水取りの行事でも練行衆が暗闇の中で
お互いにホラガイを吹いて合図をします。
広くて高低があり、相手の所在がつかみ難い山岳地では
吹く音色の高低や節回しなどで、相手と交信をする
トランシーバーのような役割を果たすものであり、また
呼子のように合図をするためのものであったりと、色々な
大事な要素を備えた道具でもあります。
また山伏が揃って、仏の前で合奏をしたり、吹奏楽団
のマーチングバンドのように行者などの列に加わって
吹奏する楽器的な要素もある素晴らしい古来の道具です。
といって、吹くのにはこれほど難しいものは無いようです。
先ず、普通に吹いても音が出ないし、音が出ても一個
一個が持っている音の性質が貝によって異なります。
大勢の山伏が、音階を合せて合奏するのは、相当の
訓練が必要だろうと思いました。
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