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2008年12月31日水曜日

除夜の鐘

湖畔の秋  油絵  10号




大晦日になるとお寺の多い京都や奈良などでは、年が

改まる時刻なると、あちらこちらから除夜の鐘が聞こえて

来て、新しい年になるのだという実感が湧いてきます。

鐘を打つ数は108回となっていますが、お寺によれば

希望者には全員打たせるお寺もあり、120にも150にも

なっているのかも知れません。

厭な出来事や悩みの多かった今年は、例年よりも希望者

が更に増えることでしょう。

108回と限定しているところは、混乱に備えて整理券を

配って回数と人数を管理していますが、打ち始めなどには

お寺によりばらつきがあります。

最後の108回目を新しい年を迎えてから打つところや、

年が変わると同時に打ち始めるお寺(東大寺)、また

鐘を打ちながら新年を迎えるお寺などと様々です。

108の煩悩を祓い清めるためといいますが、内容は

複雑です。

6x3x2x3=108 となります。

最初の6は、般若心経にもある、眼(げん)・耳(に)・

鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)の六根です。

3は、六根には、それぞれ、好(こう:気持ちが好い)・

悪(あく:気持ちが悪い)・平(へい:どうでもよい)があり

計18類に。

この18類それぞれに浄(じょう)・染(せん:きたない)の

2類があるので合計で36類となります。

これらの36類は、前世・今世・来世の三世にまたがり

ますから、人間の煩悩の数は総計で108類あると

しています。

時代が進化して、人間関係が複雑化した現在では、

もっと煩悩が増えていることは間違いありません。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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