黄色いアステイルベの花 油絵 10号
11月の下旬にハイキングで通りかかった家の垣根の
ヒイラギが花の時期でした。
丁度、花が満開で一面に真っ白な小さな花が付いていて
甘い香りが微かに漂い、蜜に引き寄せられて集まって
来るコバエのような虫の羽音がブーンと聞こえました。
形良く整えられた垣根ですが、泥棒には効き目があっても
根元の方は、すでに小枝も無くなっていて、ネズミやネコ
の侵入防止には役立ちそうにはありません。
ネズミが開けた穴や通り道にヒイラギの葉を詰めて、侵入
防止の備えにしていた頃を思い出しますが、節分の日に
ヒイラギが鬼払いに使われる習慣はまだ健在です。
今年も立春の日に多くの家の玄関に、イワシの頭と
共にヒイラギの葉が取り付けてあるのを見かけました。
この習慣は既に、1100年ほどの歴史を持っている
ことになるのです。
紀貫之が土佐日記の中で、大晦日の日にヒイラギの
葉に魚の頭を付けて厄払いをすることに触れており、
平安時代の早い時期には在った庶民の風習です。
しかし、当時は、イワシではなくボラの頭が使われて
いたようで、イワシになったのは近年のようです。
ヒイラギの葉のトゲは、鬼の目を突き、また鬼はイワシ
を焼く臭いを嫌うので、鬼の侵入を防ぐ役目を果たします。
ヒリヒリと痛むことを古語で「ひひらく」ということから、
ヒイラギの名前が生まれ、また「柊」の字は純国産です。
日本の国をヒイラギの葉とイワシの頭で取り囲んで
アメリカ生まれの「不景気鬼」の侵入を防ぎたいですね。
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