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2009年2月9日月曜日

ヒイラギと鬼

黄色いアステイルベの花  油絵 10号



11月の下旬にハイキングで通りかかった家の垣根の

ヒイラギが花の時期でした。

丁度、花が満開で一面に真っ白な小さな花が付いていて

甘い香りが微かに漂い、蜜に引き寄せられて集まって

来るコバエのような虫の羽音がブーンと聞こえました。

形良く整えられた垣根ですが、泥棒には効き目があっても

根元の方は、すでに小枝も無くなっていて、ネズミやネコ

の侵入防止には役立ちそうにはありません。

ネズミが開けた穴や通り道にヒイラギの葉を詰めて、侵入

防止の備えにしていた頃を思い出しますが、節分の日に

ヒイラギが鬼払いに使われる習慣はまだ健在です。

今年も立春の日に多くの家の玄関に、イワシの頭と

共にヒイラギの葉が取り付けてあるのを見かけました。

この習慣は既に、1100年ほどの歴史を持っている

ことになるのです。

紀貫之が土佐日記の中で、大晦日の日にヒイラギの

葉に魚の頭を付けて厄払いをすることに触れており、

平安時代の早い時期には在った庶民の風習です。

しかし、当時は、イワシではなくボラの頭が使われて

いたようで、イワシになったのは近年のようです。

ヒイラギの葉のトゲは、鬼の目を突き、また鬼はイワシ

を焼く臭いを嫌うので、鬼の侵入を防ぐ役目を果たします。

ヒリヒリと痛むことを古語で「ひひらく」ということから、

ヒイラギの名前が生まれ、また「柊」の字は純国産です。

日本の国をヒイラギの葉とイワシの頭で取り囲んで

アメリカ生まれの「不景気鬼」の侵入を防ぎたいですね。



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