ページ

2009年2月14日土曜日

黄砂の時期が始まる

花と青い花瓶  油絵  10号



2月に入って、今年も中国大陸からの黄砂の飛来が

始まりました。

月初めには微量ながら、日本の北部地域で観測されて

いたのが、11日には広範囲に飛来が見られました。

12日、朝から好天でしたが、午後には10Km先の山が

霞んで見えなくなり、晴れた12日には入日を楽しみにして

やって来ていた人たちを落胆させてしまいました。

中国の黄土地帯では開墾され尽くされてしまった畑地が

広がっていて、水不足のために見るだけでも乾燥化が

進んでいることが判ります。

また、ゴビやタクラマカンの砂漠では、石炭の露天掘りや

レンガ用の粘土を取るために至るところが掘り返されて

表土が砂塵となって舞い上がっています。

最近5年間ほどの間で、黄砂の飛来度合いが著しく

多くなっているのは、農地の乾燥化、草原の消滅による

表土の露出、さらに荒地化が急速に進んでいるからです。

著しい砂漠化防止と緑化に備えた植林などにも積極的に

取り組んではいても、原状回復だけで100年かかるとか。

日本国内でも車だけでなく洗濯物の汚染、更にはレタスや

キャベツなど、生食される葉を巻く野菜にとっては、黄砂の

降砂は深刻な問題となります。

さらに工場の煤煙や化学物質が黄砂に付着していることも

観測されているため、一段の健康への備えが不可欠です。

黄砂で市街が覆い包まれ、年々砂漠が郊外に迫っている

北京市でひどさに、朱鎔基前首相が、このままでは北京

市は遷都せざるを得なくなると言った話があるほどです。



0 件のコメント: