凱旋門のある通り 油絵 10号
朝5時半、駅まで人を送ってから、夜明け前の真っ暗な
公園を通り抜け、回り道をして家に帰ることにしました。
1月の下旬で冷え込みが並みで無い中を、冒険半分
物好き半分の気持ちで夜明け前の公園の中を街灯の
灯りを頼りに歩きました。
氷点下になっている中、寒さに備えてマフラーで耳を
覆い、首に巻きつけて達磨のような格好です。
昼の明るい時間に歩いている時には、見慣れている
はずの物が異なる物に見え、時にはギョッとしたり,
ドキリとしたりしながらの散歩になりました。
でも考えれば、夏にはこの時間は大勢の人が朝の散歩や
通勤で通るコースであり、ビクッとしながらすれ違った人も
いつも通りの通勤で駅に向かうだけのことです。
そんな公園の道筋に、高く伸びた松の木が数本あり
その中の木の天辺近くから突然カラスが啼きだしました。
止まっている位置の見当はついても、姿は暗闇の中。
ここからいつも夕方に帰ってゆく森までは2Kmほどあり
こんな離れて孤立したような場所でカラスが夜を過ごして
居るのは意外なことでした。
カラスの社会にも、ハグレ者が居るのか、森まで帰り着け
ないと知って、ここを一夜のネグラとしたのかは判りません。
3度ほど啼いて、後は声を聞きませんでしたが、その
場所に居ることを知らせたかったのか、寂しかったのか
なんだか不安さが感じられる抑揚の声です。
家の近くまで来た時に、お寺の鐘の音が聞こえて来まし
たが、冷え込みのためか澄んだ音色に感じられました。
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