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2009年2月16日月曜日

夜明け前のカラス

凱旋門のある通り  油絵  10号



朝5時半、駅まで人を送ってから、夜明け前の真っ暗な

公園を通り抜け、回り道をして家に帰ることにしました。

1月の下旬で冷え込みが並みで無い中を、冒険半分

物好き半分の気持ちで夜明け前の公園の中を街灯の

灯りを頼りに歩きました。

氷点下になっている中、寒さに備えてマフラーで耳を

覆い、首に巻きつけて達磨のような格好です。

昼の明るい時間に歩いている時には、見慣れている

はずの物が異なる物に見え、時にはギョッとしたり,

ドキリとしたりしながらの散歩になりました。

でも考えれば、夏にはこの時間は大勢の人が朝の散歩や

通勤で通るコースであり、ビクッとしながらすれ違った人も

いつも通りの通勤で駅に向かうだけのことです。

そんな公園の道筋に、高く伸びた松の木が数本あり

その中の木の天辺近くから突然カラスが啼きだしました。

止まっている位置の見当はついても、姿は暗闇の中。

ここからいつも夕方に帰ってゆく森までは2Kmほどあり

こんな離れて孤立したような場所でカラスが夜を過ごして

居るのは意外なことでした。

カラスの社会にも、ハグレ者が居るのか、森まで帰り着け

ないと知って、ここを一夜のネグラとしたのかは判りません。

3度ほど啼いて、後は声を聞きませんでしたが、その

場所に居ることを知らせたかったのか、寂しかったのか

なんだか不安さが感じられる抑揚の声です。

家の近くまで来た時に、お寺の鐘の音が聞こえて来まし

たが、冷え込みのためか澄んだ音色に感じられました。




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