滝 油絵 10号
照葉樹林帯で咲く花の代表格で、温かさを感じさせる
ところから、春の花として万葉集の時代から、身近な花
として親しまれてきました。
東南アジア各地に原種が在るようですが、日本では
ヤブツバキとして知られています。
ただ、ツバキ園などを訪れて見学すると、その種類が
非常に多いことに驚かされます。
同じ春の花木でウメも種類が多く、100種を越えていて
それぞれに名前が付けられています。
しかし、ツバキとなると種類は格段に増えて、300種を
超える種類を育てているツバキ園があり、なお、新しい
種類を募集していますから、海外の種類も加えれば
500種類にも達するのではないかととさえ思えます。
国内では、春先に咲く花木として備えている趣が、特に
武士社会や茶道の花として好まれて、競って各藩でも
栽培し、新種を生み出す努力を重ねました。
江戸時代には、町民社会にも広まって、今日のような
種類の豊富さを誇る花木になったようです。
山道を歩いているとツバキの花びらが落ちているのに
よく出会いますが、時には見上げても何処で花が咲いて
いるのかが判らないほど頭上高くで花を付けている場合も
あり、椿の木は10m以上に、大木では20mほどにも
達するようです。
用材としても珍重されていますが、今では大きな木は
伐採され尽くされて入手が困難だと言われています。
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