桜並木 油絵 10号
朝出勤前に車のウィンドウやボデイに薄っすらと埃が
積もっていることが年に2~3度はあっても、黄砂の季節
がやって来たのだなと、鷹揚に構えていた時代もありました。
中国で国内の開発が始まったばかりの頃でも、黄砂は
稀な気象現象であり、季語として馴染まれていました。
朧月夜や春霞なども、黄砂によるものであり、現在の
ように深刻な事態になることはありませんでした。
日本へ飛来している黄砂の粒の大きさは非常に小さく
5μm(0.005mm)ごらいの大きさが平均的とされて
いますが、その10分の1程度の0.5μm(0.0005mm)と
いう極微粒子もあり、このような小さなものは精密機械
などに入り込めば故障の原因にもなり、また、吸い込めば
健康にも悪影響を与えることになります。
花粉が30μm(0.03mm)程度だとされていますから
花粉防御用のマスクなどでは役に立たず、防塵用の
中国本土では黄砂の微粒子による健康被害も深刻で
肺機能への障害による病人もこの時期には多発します。
黄砂に付着した化学物資によるアレルギーで、花粉症と
同じような症状に悩まされる人も多く、喘息やアトピー
などの症状悪化による死者も発生するほどです。
数万年も前から日本に黄砂が飛来していることが、
地質学的には明らかになっていますが、とは言っても
健康に障害が出たり、日常生活に支障が出るような
春の贈り物は頂きたくないものです。
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