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2009年4月12日日曜日

始末の悪い黄砂

桜並木  油絵  10号



朝出勤前に車のウィンドウやボデイに薄っすらと埃が

積もっていることが年に2~3度はあっても、黄砂の季節

がやって来たのだなと、鷹揚に構えていた時代もありました。

中国で国内の開発が始まったばかりの頃でも、黄砂は

稀な気象現象であり、季語として馴染まれていました。

朧月夜や春霞なども、黄砂によるものであり、現在の

ように深刻な事態になることはありませんでした。

日本へ飛来している黄砂の粒の大きさは非常に小さく

5μm(0.005mm)ごらいの大きさが平均的とされて

いますが、その10分の1程度の0.5μm(0.0005mm)と

いう極微粒子もあり、このような小さなものは精密機械

などに入り込めば故障の原因にもなり、また、吸い込めば

健康にも悪影響を与えることになります。

花粉が30μm(0.03mm)程度だとされていますから

花粉防御用のマスクなどでは役に立たず、防塵用の

黄砂専用のマスクの備え必要になります。

中国本土では黄砂の微粒子による健康被害も深刻で

肺機能への障害による病人もこの時期には多発します。

黄砂に付着した化学物資によるアレルギーで、花粉症と

同じような症状に悩まされる人も多く、喘息やアトピー

などの症状悪化による死者も発生するほどです。

数万年も前から日本に黄砂が飛来していることが、

地質学的には明らかになっていますが、とは言っても

健康に障害が出たり、日常生活に支障が出るような

春の贈り物は頂きたくないものです。



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