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2009年4月19日日曜日

カタクリの花

白樺林  油絵  10号


晴れた日に桜見物に出た際に、花に誘われて公園の

奥まったところに立っている江戸彼岸の木のある場所

まで行ってみました。

淡いピンク色で小さな花弁のために、大木でありながら

人気が無く、ほとんどの人は遠目で柔らかな花の彩を

楽しんでいるだけです。

木の近くへ行き、青空にかき消されるような花を見上げて

素人ではとても花の写真は撮れないな、と話していると

傍らの相棒が、カタクリが咲いていると教えてくれました。

上ばかり見上げて歩いていると気付かなかったでしょう。

江戸彼岸の花びらが一面に散り敷いている中に、数えると

3本のカタクリが精一杯に花弁を広げていました。

昔は、片栗粉が取れるほどに、山裾には何処にでも咲いて

いた花のようですが、今では、めったに出会えない非常

希少価値の高い山野草になってしまっています。

種を植えてから花が咲くまでには、7,8年とカキ並みに

長い年月が必要で、一度苗床を荒らしてしまうと、再び

目にする事が出来るのは何年先になるのかも判りません。

種子で増えるので、花と共に根を掘りあげてしまうと、絶滅に

なってしまうのです。

面白いことには、種子の端にはアリが好む密状のものが

備えられていて、アリに拾われて巣まで運び込んでもらう

ことによって繁殖するそうです。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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