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2009年5月18日月曜日

ミソサザイの群れ

玉葱と書物のある静物  油絵  10号



車が信号で止まった時、傍らの林に小鳥が数羽餌を漁って

いるのが見えました。

家内が、何というとりだろうと聞くので、木陰になっている

芝草の上を動く小鳥を見て、ミソサザイだと気付きました

こげ茶色で地味な色合いの小鳥がピヨンピヨン跳ねています。

日本に居る小鳥では一番小さな鳥ですが、このように

車の往来のある街近くまで出てくることには驚きでした。

この小さな小鳥に、なぜ古代から立派な、大きな名前や

いわれを付けられるほどの貫禄を備えているのか、考えると

不思議なことです。

応神天皇の子、仁徳天皇が生まれた時、産屋にミミズクが

入ってきたので、翌日、武内宿禰に話すと、宿禰は、昨日

生まれた自分の子供の産屋には、鷦鷯(さざき)が飛込んで

来ましたが、共に、これは瑞兆です、と応えました。

そこで、二人の子供の名前に、飛込んできた瑞兆となる

鳥の名前を交換して名付けたと日本書紀に書かれています。

さざき、ささぎは、ミソサザイの古代の呼び名であり、仁徳

天皇は「大鷦鷯天皇」(オオサザキノスメラミコト)でした。

王者にゆかりのあるのは日本だけでなく、西洋ではもっと

一般的な寓話としてこの小鳥は登場しています。

ミソサザイは森の王に立候補して、森の王であるイノシシと

闘い、耳に飛込んでイノシシを倒しましたが、誰もミソサザイを

王として認めなかったという話です。

ここでは王としての貫禄を備えていないことが語られています。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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