キスゲと青い山脈 油絵 10号
11月の初旬に常々挑戦したかった山を目指して谷間の
集落の坂を上っていた。
何の変化もない単調そのものの舗装されている路面を
見つめながら、早や額から汗が流れ、息は絶え絶えで
これではとても目指す山頂まではと、自分でも不安が
頭をかすめる状態になって、何も急ぐことはない、駄目なら
引き返せばよいと腹に決めて畑の土手に腰を下ろして小休止。
その時に向いの路肩の下から生えているサザンカの大木が
枝一杯に花を付けていて、格好の休息場となった。
山間のこんな寒冷地で早々とサザンカが咲き始めて
いるので、早い開花だな、と感じていた。
そこで気付いたのが、春先になって咲き始める椿と
混同している自分のサザンカ感。
もともと、サザンカは気温が低くなる時期になって、温度に
反応して開花が始まる性質を備えていること。
11月の終わりになって、里でもサザンカが咲き始めて
月が替わると、既に満開に。
改めて、同じ県内でありながらも山手と里では、これだけの
時間差があるものだと知ることに。
花たちは体内に気温を感知する正確な時計を備えていて
人間の感では知りえない超能力者だということ。
昔は、人々は自然の移り変わりで農作業の時期を計ったと
いうこともよく判る。
今は、メジロたちが戻ってきて花の間を渡っている。
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