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2008年7月17日木曜日

クズのつる


絵画  蓬莱山  油絵  10号




冬の間は枯れていて目に付かなかったクズが今は

成長盛りです。

道路際の斜面や川の堤防、土手など空き地があれば

何処でも育ち、勢いよくつるを伸ばして版図を広げます。

畑の際などにこのクズが在ると、これほど厄介な植物

はないと嘆かせます。

このクズの根は、山芋のように長い根茎を作り、これ

から摂ったデンプンが「葛粉」です。

古来、大和の吉野地方の特産品です。

大和の名物、名産品、「くず餅」がお土産になります。

日本書紀の神武天皇の東征に登場する国栖(くず)の

人たちが、この地域で葛粉を作っていたのが、語源です。

国栖は、天武天皇との繋がりも深く、神秘的な雰囲気を

持つ地域です。

この旺盛な繁殖力を買われて、中国やアメリカなどにも

緑化事業や造園などのために伝えられ、アメリカでは

英名も kuzu(クズ)になっています。

しかし、根茎でどんどん増え続けるクズは、今では

今では、すっかり嫌われ者で、侵略者扱いの存在です。

日本で言えば、養蜂や園芸用に持ち込まれたとされる

アメリカ原産のセイタカアワダチソウと同様の状態です。

日本では古来、葛粉の生産だけでなく、蔓から籠を

作ったり、繊維にして布を織ったりして幅広く利用して

きました。

イノシシの食糧として放置するのではなく、食糧難の

時代に備えて、食用として利用する栽培方法を研究、

しておくことも必要ではないかと思われます。


備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
 安全と安心の非常持出袋の準備は?

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