近年、米国では大規模な山火事が頻発している。
こうしたなか、気候科学者が、山火事が発生
しやすい条件が揃う[火災気象]と呼ばれる日が
増加していることの研究結果を発表した。
カリフォルニア州では、高温と強風、低湿度の
条件が揃った、山火事が発生しやすくなる
気象状態の[火災気象]と呼ばれる気候が増加。
火災気象は、1970年代前半から米国西部の
広範囲で起きているが、発生する日数は非常に
目に見えて増えてきているという。
米国西部17州にある225の気象観測所のデータを
1973年までさかのぼって分析し、大規模な
山火事を引き起こす主要な3要素である気温、
湿度、風速を調べた。
高温低湿の環境は、植生から水分を奪い、乾燥
した“燃料”を作り出すので、ごく小さな火種が
すぐに山火事を引き起こし、その火が強い風に
よって驚異的な速さで一帯に広がって行く。
こうした、火災の発生しやすい気象が発生した
日数を調べると、1973年以降、コロラド州では
2倍以上に増え、テキサス州南端部では2・84倍
増に、また、カリフォルニア州中部でも、
火災が発生しやすい気象の日が2・69倍に増えた。
この地域の山火事を歴史的にみると、かっての
土着民たちは、生態系をリセットする目的で
意図的に山林でも野焼きを続けていた。
この時、土地は広範囲に焼けたとしても、前の
野焼き後に燃えやすい低木が育っていないので、
炎はそこまで大きくはならない。
20世紀以降での土地の管理では、火災はすぐに
消化するため、山林内には燃えやすいものが
蓄積されて、一旦火が出ると大きな火災になる。
原野と都市の境界、すなわち森林と町が接する
地域に住み人が増えたために、人間が意図せず
起こす火災、失火も増えた。
また、電力のインフラによる火災もある。
米国の西部各州の土地を管理する当局は、
制御された野焼きをもっと実施していく必要が
あると指摘している。
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