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2022年1月2日日曜日

[イトカワ]の試料分析 太陽風が水を造った?

備えよ常に! 備えあれば憂いなし
春日山原始林



地球上に存在する大量の水の起源は、太陽系の

炭素質の小惑星『C型小惑星』が地球形成期に

衝突し、水がもたらされた、との仮説に基づく。

しかし、研究者によると、地球に落下したC型

小惑星の炭素質球粒隕石の同位体フィンガー

プリントを分析した研究結果によると、隕石の

水に含まれる水素と重水素の割合が地球の

ものと一致したのは一部であり、概ね、地球の

マントルや海の水とは異なっていた。

英と豪の大学の研究チームは、C型小惑星よりも

太陽に近い岩石質の「S型小惑星」に着目し、

2010年に帰還した宇宙航空研究開発機構

(JAXA)の小惑星探査機[はやぶさ]がS型小惑星

[イトカワ]の表面から採取した試料を分析した。

研究チームは、試料を構成する元素の3次元

空間分布と化学組成測定を行う最先端の材料

分析手法[アトムプローブトモグラフィー

(APT)]を用い、イトカワの試料を内側50

ナノメートルにわたって細部まで分析した。

その結果、太陽風によって岩石が変質する

[宇宙風化]により、かんらん石の表面下で

水が生成されていたことが判った。

惑星科学者の教授は、この試料の分析結果を

ふまえ[岩石1立方メートルあたり約20リットルの

水が存在するだろう]と推測している。

空気がない天体の表面では、水素やヘリウムの

イオンが太陽から宇宙空間へと絶え間なく流れる

[太陽風]によって岩石や鉱物が変質する

[宇宙風化]が起こる。

太陽風の水素イオンが小惑星の表面に衝突すると、

表面から数十ナノメートル下まで浸透して岩石の

化学組成に影響を与え、岩石中の物質から酸素

原子が放出されて水が生成される。

この研究では、イトカワの試料の表面に水素

イオンを照射する実験を行い、水分子が生成

されることも確認した。

共同研究者は「イトカワで水を生成させた

宇宙風化のプロセスは、月や小惑星ベスタなど、

空気のない他の天体でも起こり得るという。

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