習近平が進める一帯一路に参加している多くの
国が過剰融資による返済に窮して苦しんでいる。
7月13日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は
連日の経済混乱に対する抗議デモを受け、
モルディブを経てシンガポールに逃亡した。
スリランカは約350億ドルの対外債務により
国際的債務のデフォルト(債務不履行)に陥った。
2018年には、借入金の返済に行き詰まり、
中国の援助で建設した南部ハンバントタ港を
中国国有企業へ引き渡した。
その後も、資金繰りに窮し、IMFからの緊急
融資を受ける準備をしたが、中国は法外な
条件で貸し付けている実態が表面化することを
嫌い、追い貸しを勧めて2020年と2021年に
中国の銀行から30億ドル(約4110億円)の追加
融資を受けたが、折からのエネルギー価格の
上昇もあり、ガソリンだけでなく生活必需品の
値上がりに苦しむ市民の抗議が過熱していた。
4月から5月まで暫定的に財務相を務めた
元閣僚は、保有する限られた外貨準備金を
活用して事前に債務を再編することはせず、
準備金がすべてなくなるまで中国への返済を
続けたと述べ、少なくとも12ヶ月前にIMFに
支援を求めるべきだったとしている。
アジア地域で、次に財政破綻が懸念されて
いるのがパキスタン。
6月後半にも、中国銀行団から23億ドル(約
3100億円)の融資を受けて債務が更に増加。
だが、幸いにIMFがパキスタンの支援に乗り
出し、財政再建が進められることになり、
スリランカの二の舞はとりあえず避けられた。
国際金融協会(IIF)の、2月に公表した中国の
2021年の債務は約7兆ドル増の60兆ドル。
GDPに占める割合は、約330%に達する。
2021年の新興国の債務は、20年より8.5兆
ドルも増え95兆ドル超になり、新興国債務が、
GDPに占める比率は約248%。
中国は、国際社会から資金借入れては、高利で
新興国に貸し付けを繰り返して来たのだ。
このため、貸付主体である国有銀行や国有
銀行は、返済に窮した国には、元金の返済は
後回しで利ザヤ稼ぎを主体とした取立に
重きを置く高利貸しと化す。
だが、卵を産まなくなった鶏が増えてくると
中国の貸主企業は不良資産の山で窮地に立つ。
その先は、スリランカのように、新興国の
資産差し押さえで、対立が激化することになる。
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