花のある青い花瓶 油絵 10号
10月の終りともなると、一面、黄金色で田んぼを埋めて
いた稲穂も姿を消して、殺風景な空間が広がります。
コンバインを使用した収穫作業が多いためか、田んぼの
上には、切り刻まれた稲わらが散らばっています。
肥料にするためなのでしょう。
昔のようにハサも見当たらず、また、稲わらの再利用に
備えて、円形に塔状に積み上げた「すすし(すずし)」も
見当たらず広々とした空間だけが残っているのが
余情の無い寂しさを感じさせます。
稲の穂先近くを束ねて括って立ててある「わらづと」が
時折、田んぼの端の方で目に付く程度です。
多分、機械刈りが出来なかった倒伏部分や、田の端の
部分を手刈りしたものと思えます。
自家用の再利用に残したものかもしれませんが、この
藁苞(わらづと)の形にして、脱穀に備えて田に立てて
乾燥をする地方の情景を思い出します。
「すずし」が立っている田んぼで、子供達が走り回って
遊ぶ姿などは想い出の絵画の世界になってしまいました。
農家の家の近くで、1~2坪だけ、稲を刈らずに残して
いる所を見つけました。
休日に孫達が遊びに来た時に、稲刈りを体験させる
ためかな、と勝手にほほえましい情景を想像しました。
お正月の注連縄の飾りに稲穂を使うためかも知れません。
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