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2008年11月8日土曜日

稲刈りの終わった田んぼ

花のある青い花瓶  油絵  10号



10月の終りともなると、一面、黄金色で田んぼを埋めて

いた稲穂も姿を消して、殺風景な空間が広がります。

コンバインを使用した収穫作業が多いためか、田んぼの

上には、切り刻まれた稲わらが散らばっています。

肥料にするためなのでしょう。

昔のようにハサも見当たらず、また、稲わらの再利用に

備えて、円形に塔状に積み上げた「すすし(すずし)」も

見当たらず広々とした空間だけが残っているのが

余情の無い寂しさを感じさせます。

稲の穂先近くを束ねて括って立ててある「わらづと」が

時折、田んぼの端の方で目に付く程度です。

多分、機械刈りが出来なかった倒伏部分や、田の端の

部分を手刈りしたものと思えます。

自家用の再利用に残したものかもしれませんが、この

藁苞(わらづと)の形にして、脱穀に備えて田に立てて

乾燥をする地方の情景を思い出します。

「すずし」が立っている田んぼで、子供達が走り回って

遊ぶ姿などは想い出の絵画の世界になってしまいました。

農家の家の近くで、1~2坪だけ、稲を刈らずに残して

いる所を見つけました。

休日に孫達が遊びに来た時に、稲刈りを体験させる

ためかな、と勝手にほほえましい情景を想像しました。

お正月の注連縄の飾りに稲穂を使うためかも知れません。

残された稲穂で、少しだけホッとしたことでした。

備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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