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2009年8月8日土曜日

素麺の原形は奈良時代に伝来

アンスリウム  油絵  10号



遣唐使が唐から持ち帰った多くの加工食品の中にあった

唐菓子(からくわし)の中の索餅(むぎなわ)が、素麺の

元祖だといわれています。

ムギやもち米の粉を練って棒状にして、二つ折りにして

縄のようによった物です。

現在、春日大社に伝わる「ぶと饅頭」も、この時に伝来した

餢飳(ひふと)と呼ばれる唐菓子で、同様の粉を練って

今の餃子に似た半円状の形状を備えています。

最近の献上菓子には餡が入っていますが、古くは粉だけで

練って油で揚げたものでした。

きしめんやうどんが伝わったのが鎌倉時代だそうですから

素麺は原形として伝わったのは奈良時代という古い歴史を

備え持っている食品になります。

18世紀中頃には全国各地で製造されるようになると共に

三輪素麺や輪島素麺などの名産地や、地域の特色を

備えた製品が生まれてきました。

素麺の製法が全国に広まったのには、伊勢神宮への

お参りが盛んになった江戸時代のお蔭参りのよるところも

大きく、三輪は大和平野から伊勢へ抜ける伊勢街道に

立地していて、伊勢への行きかえりに通る旅人によって、

素麺が広められたことも見逃せません。

素麺は長いものという観点からすれば、麺を引伸ばした

長さ一杯のものもあります。

熊本の南関素麺、富山の大門素麺、また半生に仕上げた

安城の半生長素麺など、食べる時が楽しみな長素麺です。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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