街角の賑わい 油絵 10号
記録上では最も遅い梅雨が明けた西日本では、一気に
襲ってくる強烈な暑さに備える術もなく、ただただ夕暮れの
涼風を待つしかない日々が続いている。
心頭滅却すれば、ではないが35度を超える暑さの中
特別な暑さへの備えもなしに社寺を巡っている人も予想外に
多く、へとへとになっている自分の目から見れば、世の中には
暑さを力にしている異世界の人がいるものだなと感心ばかり。
山間から夕暮れの涼風が降りてくる頃の寺の庭に咲く
キキョウには、涼味をより感じさせる清涼さがあります。
白いキキョウ、青いキキョウ。
それぞれに感じさせる個性があるのか、観る人は二つに
分かれて自分の世界に陶酔しているようです。
若い人には色彩のしっかりした青紫の方が好まれ、白い方は
夢幻の境を備える世界を観る老壮のフアンが多いようです。
万葉の時代にも、歌人に愛でられていた花の中の一つで
歌の題材として登場しますが、この時代はキキョウではなく
「あさがお」と読まれて登場します。
今のアサガオは平安時代に薬剤として持ち込まれた
もので、万葉時代のアサガオは、ムクゲやヒルガオだとする
説もありますが、詠われている内容を備えている花は
キキョウだとする説が、今では有力です。
アサガオは 朝露負ひて 咲くといへど
夕影にこそ 咲きまさりけり
(巻10-2104)
0 件のコメント:
コメントを投稿