花と塔 油絵 10号
今年は2月に異常な暖かさが続いたこともあり。花たちに
とっては戸惑いの春になってしまいました。
早春の花、コブシも近くの寺院や住宅の庭先で咲くコブシは
お彼岸を過ぎる頃になって、一気に咲き始めて、1~2日の
間に、どこもここも満開になってしまいました。
「北国の春」を歌って開花を待つ余情も無い状況です。
満開から3~4日送れて、ソメイヨシノも開花し、通りに
あるモクレンも赤紫色の蕾が開いて、白い花弁がのぞいて
いて、花木たちは一斉に咲きそろう顔見世となっています。
春の訪れをのんびりと楽しむ余裕の無い年になりました。
コブシは日本原産で、里山のコブシが咲き始めるのを
合図にして、農作業が始まり、田の土を打ち返す作業を
始めることから、「田打ちザクラ」とも呼ばれるようです。
日本人にとっては、非常に身近な存在の花木なのです。
漢字では、辛夷と難しい字を当てていますが、これを
コブシと読むのには、流行の漢検ではどの級に所属する
実力が必要なのでしょうか。
コブシの花が咲く前の蕾の状態の頃には、既にスギ花粉の
飛散のピークを過ぎてはいましたが、この蕾は漢方薬では
やはり辛夷(しんい)と呼ばれる漢方生薬であり、特に
鼻炎や鼻づまりなどに有効な成分を備えているそうです。
庭にコブシを植えておけば、自然と花粉症にならない
体質を備える事が出来るとは、ならないものでしょうかね。