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2009年3月4日水曜日

お水取りが始まる

平山郁夫  流砂浄土辺  油絵  10号



恒例の春を迎える行事のお水取りが始まりました。

大仏開眼の年、752年に始められてから、休むことなく

続けられて、今年で1258回目を迎えます。

行事と言ってしまえば「お祭り」的ですが、参籠する

11人の練行衆は、2月半ばから本行に備えて、精進潔斎に

入り、1日から15日までは昼夜、一日6回の行を行います。

二月堂の本尊の十一面観世音菩薩に、「天下泰平」、「五穀豊穣」

「万民快楽」の祈りを捧げる荒行です。

最近は、参籠所から二月堂の本堂へ上堂する練行衆

の足元を照らすお松明が、すっかり有名になって、これを

見物する多くの観光客で賑わいます。

東大寺の開祖である良弁和尚の弟子である実忠和尚が

始めたのですが、脈々と伝えられて来たこの行は、実忠が

笠置山の山頂の龍穴で観音さんが行をしているのを見て

教えを請い、自ら始めたものといわれています。

実忠が東大寺に入る前には、実忠が開いた伊賀市にある

観菩提寺に居て、ここでは正月に「修正会」と呼ばれる

行事があり、「修二会」の母体になっているといわれます。

観光客から多くある質問の一つが、東大寺には、二月堂、

三月堂、四月堂はありますが、なぜ正月堂は無いのかと

いう疑問です。

実忠が開いた観菩提寺と後に実忠が修行をしたといわれる

笠置山の笠置山には、実忠が建てたといわれている

正月堂が存在します。




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