平山郁夫 流砂浄土辺 油絵 10号
恒例の春を迎える行事のお水取りが始まりました。
大仏開眼の年、752年に始められてから、休むことなく
続けられて、今年で1258回目を迎えます。
行事と言ってしまえば「お祭り」的ですが、参籠する
11人の練行衆は、2月半ばから本行に備えて、精進潔斎に
入り、1日から15日までは昼夜、一日6回の行を行います。
二月堂の本尊の十一面観世音菩薩に、「天下泰平」、「五穀豊穣」
「万民快楽」の祈りを捧げる荒行です。
最近は、参籠所から二月堂の本堂へ上堂する練行衆
の足元を照らすお松明が、すっかり有名になって、これを
見物する多くの観光客で賑わいます。
東大寺の開祖である良弁和尚の弟子である実忠和尚が
始めたのですが、脈々と伝えられて来たこの行は、実忠が
笠置山の山頂の龍穴で観音さんが行をしているのを見て
教えを請い、自ら始めたものといわれています。
実忠が東大寺に入る前には、実忠が開いた伊賀市にある
観菩提寺に居て、ここでは正月に「修正会」と呼ばれる
行事があり、「修二会」の母体になっているといわれます。
観光客から多くある質問の一つが、東大寺には、二月堂、
三月堂、四月堂はありますが、なぜ正月堂は無いのかと
いう疑問です。
実忠が開いた観菩提寺と後に実忠が修行をしたといわれる
笠置山の笠置山には、実忠が建てたといわれている
正月堂が存在します。
0 件のコメント:
コメントを投稿