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2009年3月29日日曜日

中国 干ばつが襲う

春の里川  油絵  10号




日本では毎年、稲作に欠かせない降雨量が、梅雨の

頃になると話題になり、関心の的になります。

それでも近年は田植えに備えて取水する頃になっても

雨が降らないというような深刻な水不足に見舞われて

いないのは、幸せなことです。

中国では水不足が非常に深刻な状態になっています。

昨年の秋からまとまった雨が降らないために、一部の

地域では飲料用の水にも不足が生じていて、約400

万人程の人は軍の給水を受けているといいます。

また、飼育されている家畜も同様で、飼料不足と共に

事態は深刻化しています。

今は丁度冬小麦の生育時期ですが、雨不足は干ばつ

による被害を拡大させていて、全国の45~50%にも

当る地域の冬小麦に非常に深刻な影響を与えています。

国では、最高クラスの対応を進めていて、人工降雨や

灌漑用の水路構築、水源用の井戸掘りなどを、軍隊を

出動させて緊急対応に努めています。

従来から問題とされていた農業基盤の脆弱性が、今回の

干ばつで表面化しています。

灌漑用の施設への開発投資や農地利用の合理化などが

放置されていたことが被害を一層深刻化させています。

土壌汚染や農地の工場用地への転用などによる離農

が原因の農村地の荒廃も進んでいて、地道な農村への

投資や指導が後回しされていたことも大きく響いています。

2000万人に上る農民工が職を失って、農村部に

帰って来ており、そこへ大旱魃による収入不足、食糧

不足などが加わった農村部での不満の爆発が、政府

中央の最も恐れる問題点となって来ています。

 「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」ですね。
 
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