マース 塔のある通り 複製画 10号
少し離れたお堀の柵に、大人や子供が持たれて下を
のぞいているのに出くわしました。
綺麗なオシドリが居るのだろうかなと思いながら、先を
急ぐわけでもないので、近寄って堀端を覗き込みました。
誰かが準備しておいたのか、2尺角ほど板張りの上に
ヌートリアが乗っていて、しきりに毛繕いをしています。
薄曇の中、気温も12度ほどの予報が出ていましたから
ヌートリアにしてみれば、久々の暖かい気分の良い日
だったに違いありません。
見ている人を気にも留めず、身体を左右に曲げて全身の
お化粧に余念がありません。
以前から岡山県を中心に繁殖をしていて、近畿一円から
最近では、静岡県から千葉県にかけても生存が確認されて
いると言います。
年に2~3回、数匹の子供を生む繁殖力を持ってるそう
ですから、ネズミ算式で増えれば大変です。
夜行性で水辺の草を主に食べるそうですが、岡山県では
野菜畑や水田を荒らすために県を上げて駆除対策に
取り組んでいる害獣です。
見かけたヌートリアは頭から胴の長さが数十センチあり
尻尾が40センチはあるようでしたから全長では1メートル
にもなる大型です。
暖かい毛皮を備えているために、戦前に軍隊用として
持ち込まれて、飼育が奨励され、毛皮ブームが済んだ後
、野生化して分布域が広まっています。
この大型ネズミは、現在、繁殖域が広まって、対策が
叫ばれているアライグマと並んで害獣の代表格です。
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