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2009年3月5日木曜日

お水取りにインド密教の要素も

モネ  アルジャントウーユのセーヌ川の舟  複製画 10号



お水取りが行われている二月堂のある東大寺境内や

周辺には、ウメやツバキなどの花も開いていて、早くも

春の雰囲気が満ちていました。

今年は例年よりも、大分暖かいようで、参籠する練行衆

にとってはありがたいことでしょう。

紙の衣にうちかけと呼ばれているスリッパでの本行では

寒さが一番辛いでしょう。

このお水取りの行の中には、今の仏教の行法や所作など

には見られないものが多くあって、神仏習合的で、密教的な

要素を非常に多く備えているので、研究家の人たちに

とっては、興味のある修二会です。

仏教が日本に伝来した538年から200年以上経って

いて、また、密教を集大成した空海が求法のために唐へ

渡り、学業に励む頃より50年ほども前ですから、インドの

仏教などに含まれていた様々な密教的な要素がお水取り

の行の中に伝えられています。

11人の練行衆の中で、戒を授ける役を持つ和上をトップに

して、3番目の位に咒師という役があります。

この人が勤める役割が、興味の対象になっています。

参籠の備えて行われる清めの儀式の「大中臣祓え」では

松明の前で、拍手を2度打ってから、御幣を手にして

祓詞を黙読した後、練行衆を清めて結界の注連縄を張ります。

そのほか、韃靼や香水を汲むお水取りの役割などの

古密教的な要素を含む所作を勤めます。



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